私は「オーバーステイ」のネパール人で、27歳です。 就学の在留資格で入国し、オーバーステイとなって2年半になります。結婚する予定の日本人の彼女(26歳)がいます。また、近々インド料理のレストランにマネージャーとして採用されることがきまっています。
私は彼女と結婚して家庭を持ち、今後も日本で生活していきたいのですが、私が合法的に日本に滞在する道はあるでしょうか。 そのために、まず何をしたらいいのでしょうか。
それは法務省に対して出頭しして行う「在留特別許可」嘆願手続です。 しかし、あなたはまず、ご自分が法を犯しているということを自覚し、深く反省することが必要です。
「不法滞在者」であっても、日本人と結婚することに問題はありません。けれども、日本人と結婚すれば日本にいることができるというのは間違いです。日本人との結婚はひとつの要件とはなっても、それによって必ず認められるというものではありません。結婚と在留は別の問題であり、そして「在留特別許可」というのは権利の主張ではなく、あくまでも嘆願 =お願いなのです。 ですから、法を犯していることをきちんと認識・理解することが、あなたの道を切り開く第一歩となります。
次に、お二人が正式に結婚しなければなりません。 ここで大切なのは、その結婚が双方の国に基づいて有効な結婚であるということです。つまり、その婚姻の実質的な成立要件がお互いに満たされているかどうかとういうことです。
日本人については、戸籍によってその要件を満たしているかどうかが簡単にわかります。 けれども、外国人については容易ではありません。そのために、国際結婚では「婚姻要件具備証明書」の提出が求められます。
これは、その外国人が確かに独身であり、自国の法律によって結婚できる要件を備えていることを政府が証明した公文書です。 ところが、あなたの国ネパールでは、この婚姻要件具備証明書が発行されていないと思います。そうなりますと、これに代わるものとして、たとえば「宣誓供述書」が必要となってきます。
もうひとつ大切なことは、その結婚が真実であることです。日本に滞在したいがためのいわゆる偽装結婚は、犯罪です。在留するために日本人との結婚があるのではなく、日本人との結婚があったからこそ認められることもあり得るという順序であることを忘れないでください。
「在留特別許可」に必要な書類はいろいろありますが、入国管理局に対してあるべき姿というのは、犯した罪に対する自覚を含め、一貫して正直であること、そして誠実な気持ちに基づいた強い意思を持ち続けることでしょう。
そして、この結婚が真実であるという結婚の「真実性」と、二人で協力して真剣に家庭を築いていこうという結婚の「継続性と安定性」、これらをいかに担当官に伝えるかということになります。
※ 2000/03 掲載、2012/06 内容を修正、内容・表記について現在の制度と異なる部分があります。