日本進出に際して、駐在事務所でも支店と同様の機能を持つと聞いていますが・・・

当社は中国のIT企業です。日本支店を設置する計画は以前からあったのですが、日本の商法改正により、駐在事務所でも支店と同様、利益追求活動ができるようなったと知り、駐在事務所を持って事業展開していこうと考えています。

ビザ申請と関連して、なにかアドバイスがありましたらお願いいたします。

継続的な取引を行う場合は、支店を設置したほうがいいでしょう。

2002年商法改正により2003年月からは、外国企業が支店(営業所)の登記をしなくても営業活動が認められることになりました(これは、会社法でも踏襲されています)。

ただし、支店(営業所)で登記しない場合でも、日本で取引を継続して行う外国企業は、日本における代表者を定めて、外国会社の登記をしなければなりませんので、支店(営業所)登記と代表者登記の違いは、営業所の所在地を登記するか否かだけの違いでしかありません。

結局、営業準備活動であれば駐在事務所、継続的営業活動を行うのであれば、支店(営業所)登記もしくは代表者登記が必要となります。

一般に、駐在事務所の代表者は登記上説明できませんし、銀行口座は代表者個人名義となります。また、駐在事務所代表者の名で重要な契約行為を行うことができません。これに対し、支店(営業所)は登記しますので、日本における代表者が外国会社の営業に関する一切の行為に対する権限を持つことを、登記簿謄本をもって説明できます。契約行為を行うことができるか否かという違いは企業の経営活動上、非常に大きいかと思われます。

入管は、外国企業の対日直接投資に関連する在留資格申請にあたり、必ずしも駐在事務所を否定するものではありませんが、登記簿謄本でその存在を明らかにできない分、駐在事務所が活動していることを証明する手間がかかることになります。

※ 2004/06 掲載、2012/06 内容を修正