戸籍上の両親が中国人であるわが子を養子にすることはできますか?

私は35歳の会社員です。私には、中国人女性との間に生まれた2歳になる娘がいますが、実はこの女性は人妻です。彼女の夫は中国人の技術者で、娘の戸籍上の父になります。彼女と私はすでに同居しており、彼は、娘のために、彼女との離婚にも同意してくれています。

母娘の在留資格は「家族滞在」ですが、数ヶ月で在留期限がきます。私は娘の将来のために認知をし、とにかく正式に親子三人で暮らしていきたいと思っていますが、彼女のほうは、認知をすれば、万が一のとき娘を日本人である私に渡さなければならなくなるので、連れ子として養子縁組してほしいと希望しています。認知、養子のいずれを選択すべきでしょうか。また、特別養子とはどういうものでしょうか。

結論から申しますと、実子と養子縁組することはできません。

認知は血のつながった子を法的に自分の子であると認めることで、養子(普通養子)は他人の子を養うために子として戸籍に入れることです。また、特別養子は、6歳未満の他人の子を自分の子として養うために、実の父母(戸籍上の両親)との縁を切ることを条件に自分の戸籍に入れることです。

未成年で直系卑属でない場合、養子縁組は、相当の理由に基づき家裁が許可するもので、法律は、事実の上での実子を養子にすることは前提としていません。また、特別養子は、それにより子に在留資格が与えられますが、養父母は子にとって第三者であることを前提としているため、養子縁組後に実母と養父 =実際は実父が婚姻すれば、矛盾が生じます。

いずれも事実に基づいて手続すべきことであり、あなたの場合、認知が法律の想定している正規の手続となります。

以前は、お子さんは2歳ですので、認知の時点では中国籍のままで、あなた方の婚姻により準正子とならなければ日本国籍は取得できませんでしたが、現在は、認知後に国籍取得の届出をすることで国籍が取得できます。

彼女の心配についてですが、その後万が一、あなた方が不幸にして離婚となり、親権で争うことになった場合、外国人母であることを理由に、絶対に親権を得られないということはありません。あくまでも、子どもの福祉に鑑みて取り決められるのです。

※ 2004/02 掲載、2012/06 内容を修正