長女を日本で亡くしたオーバーステイのイラン人夫婦です。在留は認められますか?

12年前に観光ビザで入国したイラン人夫婦です。イランで結婚しました。日本に来てから生まれた長女は、筋ジストロフィーのため8ヶ月で亡くなりました。長女のお墓は山梨県にあります。次女は4歳です。

夫は1年前から手術を必要とするほどの腰痛で、いまは仕事を休んでいます。夫が手術を受けるには母国へ帰るしかないのですが、長女だけ日本に残していくことがつらいのです。けれども、イスラム教では、お墓を掘り起こして遺骨を移動することは許されていません。こうした事情から、なんとか正式に日本に在留したいのですが、無理でしょうか。

お気持ちはよくわかりますが、お嬢さんのお墓が日本にあるからという理由では、正直申しあげて弱いでしょう。

何年か前、イラン人家族が在留を認められましたが、あの場合は、子どもたちの年齢が高く、すでに日本人と同様に日本社会・日本語しか知らない状態でした。

それを考えますと、在特のための出頭は、早くても下のお嬢さんが中学生になってからと思われます。12~13歳までに育った国の文化や言語が、その子の思考のベースとなります。まだ学齢期にも達していないお子さんですと、いくらでも環境の変化に順応できると判断されますので、いま出頭することは不利でしょう。

ご主人の健康回復とご家族の生活のためには、イランへ帰られたほうがいいかもしれません。上のお嬢さんのお墓のことが気がかりかとは思いますが、良心的な料金できちんとお墓参り等をしてくれる団体に依頼されてはいかがでしょうか。

※ 2003/07 掲載