子どもが日本への留学を希望しています。

24歳になる息子は三年制大学を卒業し、中規模の会社に勤めていますが、最近は責任ある仕事も任されるようになり、意欲的になっているようです。そんな中で彼は、日本の大学へ留学して最新の経営学を学び、母国でその知識を役立て、企業の経営管理に携わりたいと真剣に考えるようになりました。

そのためにはまず、日本語の能力を身につけることが先決かと思いますが、どのようにすればいいのでしょうか。

日本の多くの大学では、入学条件として文部科学省主催の「日本語能力試験」1級の受験を義務づけています。

それをクリアするために、そして日本の留学生受入制度が未整備であることから、まず日本にある「日本語学校」に入学し、1~2年学習してから大学等を受験するのが一般的です。日本語学校への入学が日本留学の第一歩なのです。私費留学生が入学できる日本語学校は、(財)日本語教育振興協会が認定した日本語教育施設か大学の日本語別科だけですが、全日本語学校の半分以上、全在学生数の60%が東京に集中しています。

日本語学校選択の際のポイントは、日本語の他に大学受験に必要な基礎科目の授業を行っているかどうか、住居の準備体制はどうか、進学指導体制がしっかりしているかどうかなどです。また小さな学校でも、日本側の責任者が中国で直接選抜のための面接を行っているような学校は、熱意と誠意があり、信頼できるといえましょう。

審査のうえ入学許可がおりますが、この「入学許可証」と日本語学校へ入るための「留学」ビザはまた別のものです。日本語学校が代理人として一括申請するものの、入国管理局においてあなた方から提出される書類が審査され、それに対して日本語学校で学ぶための「留学」という「在留資格認定証明書」が与えられるのです。

そしてこれをもって最寄りの日本国在外公館でビザの申請を行います。ですから、厳密には「ビザ」と「在留資格」は同義語ではありません。

「留学」の在留資格認定証明書交付申請にあたってのポイントをいくつかご説明します。

本人に関しては、まず学校教育において12年の課程を修了していなければなりません。 そして4年制の大学を卒業していない場合(高卒・短大卒など)は、150時間以上の日本語学習歴証明書、あるいは日本語能力試験4級以上の証明書が必要です。経費支弁者に関しては残高証明書と預金証書ですが、両者は必ず一致していなければなりません。

また、日本語学校にかかる費用はどこもほぼ同じで、それにお子さんの生活費などをプラスした支弁能力があればよいわけで、必要以上に預貯金があることは年収などと照らし合わせると矛盾し、かえってマイナスの要素となります。本人の書く「理由書」ですが、これはていねいに作成してください。

なぜ日本語を学ぶ必要があるのか、そしてなぜ日本で学ぶ必要があるのかを、過去・現在・未来をふまえ、すべてがつながるように説明できなければなりません。さらに、細かいことではありますが、各書類の名前・住所などがすべて一致していることが大事です。このようなことに留意し、きちんとした書類過不足なく準備してください。

※ 2000/03 掲載、2012/06 内容を修正