スティーブ・ジョブズのような意外性 April 28, 2013 (Sun)

「私がいつも驚いているのは、加藤先生が、行政書士でありながら、スティーブ・ジョブズのような意外性をもって、この面白くない仕事を面白くしてしまうことです。」

このタイトルは、士業同士のメーリングリスト主催者であった故古谷睦先生からいただいたお褒めの言葉です。これを見せたJiBizのビジネスパートナーに「最高の賛辞だね」と言わしめたこの言葉は、私の宝物です。

古谷先生は、個性的かつカリスマ性を備えた非凡な方でした。話題の引き出しが非常に多く、国際的で柔軟な視点とものごとの本質を突くような鋭い洞察力を持ち、人が意見や独自の考えを持つことそのものを評価し、人の能力や挑戦を心から称え、どんな話題にも打てば響くような回答を返してくださる方でした。

メーリングリストでの交流は、彼の死によりわずか半年で終わりを告げることになりますが、アカデミックな才気と豊かな感性に溢れた彼とのやり取りを、私はいつまでも忘れないでしょう。人の才能に触れることはこんなにも人の魂を揺さぶり続けるのだということを、古谷先生との交流はおしえてくれたのでした。

私のテーマは、常に、「行政書士」を使って自分はなにができるか?です。地味な行政書士という職業に、自分の持ち味である「中国」というものを掛け合わせ、中国ビジネス、日中渉外法務といったワタシ流を創り出していくことが、自分の行政書士人生ではないかなと思っています。現場でもがくことや市井の人とのやり取りを含めて、いいことも悪いことも、単純なことも大変なことも、失敗も困難も、その試みの過程のすべてを好奇心いっぱいに楽しんでいるわけですが、周りの同業者・士業者から見れば考えなしのハチャメチャ行政書士である私の言動を、古谷先生は、自由な発想の海を泳ぐ子どもを眺めて楽しむように、本気で面白がってくださったのだと思います。

これまで、ブログについては、きょうはどこへ行ってどんな一日であったというような業務日誌や、はたまた趣味やプライベートについて公開日記のように表すことに抵抗があり、見送ってきました。そして、投稿するといえば士業同士のいくつかのMLだけでした。

けれども、古谷先生が亡くなったことや、今年で開業15年、中国現地法人設立から3年を迎えたことなどをきっかけに、ごく限られた対象に向けて投稿するだけではなく、対象を広げて発信していくのもよいのではないかと考えるようになりました。

専門家の端くれとして、また、国際ビジネスに携わる者として、ちょっと気負った大真面目な意見や提言、解説を発信していくことと同時に、一見なんでもない事柄を自分なりの目線で取り上げていくのは大事なことだと感じています。ありふれた日常や単純な出来事、普通を通して見えてくるものの内にこそ真実や真理はあるわけで、その本質に迫っていくことが、実は社会情勢や国際外交を見つめることにつながるのも事実でしょう。

様々なことをタイムリーかつ私らしく等身大でお伝えしていくには、更新のしやすさも重要。というわけで、たいへん遅ればせながら、ブログ、始めます。

そして、いまごろは、大好きだとおっしゃっていた銀河鉄道の旅を楽しまれているであろう古谷睦先生に、このブログを捧げます。たぶん、私の新しい試みをご覧になって喜んでくださっているでしょう。きれいな星の花咲く銀河鉄道の向こうから。

が、なにせファッションと買物がシゴトの肥やしのワタシ。気づいてみればファッションダイアリーだった・・・なんてことにならないよう、十分気をつけたいと思います。