通りはわが家 「通り」を歩くと、北京っ子の生活が見えてくる July 27, 2013 (Sat)

「通り」を歩いてみることは、北京っ子たちの生活を垣間見ることでもあります。

中国では、特に「裏通り」に人々の生活が凝縮されています。彼らの生活が通りにまで広がっていると言ったほうがいいかもしれません。通りは人々の共通の居間であり、社交場であり、活気と懐かしさの入り混じったような普段着のままの北京がそこにあります。

下校する小学生の集団。私と背が変わらないので高学年でしょう。まもなく止まって横の列に向き直り、「老師~、再~見~!(先生~、さようなら~)」と声をそろえてご挨拶。低学年の子は、ある子はお迎えに来たお母さんに引きずられるようにして、ある子はおじいちゃんに甘えるようにして帰っていきます。どこの国も子どもはかわいいものです。

建物の一角では、コックさんがたくさん集まっています。こんなにたくさんのコックさん・・・いったいどこにそのレストランがあるのだろう?興味津々、建物の表側に回ってみますと、北京ダックのお店。夕方ということもあって、表通りの入り口には席を待つ人たちでいっぱい。なかなかの人気店のようです。ここはさすが食の国だけあって、街角のあちらこちらでやたらとコックさんを見かけます。

大衆食堂は、夏場は夕方になると、店先に小さなテーブルを並べます。いえ、冬場でも出ているところ、多いです。そして、宵っ張りの北京っ子らしく、夜遅くまでカップルで、仲間同士で、家族でにぎわいます。

腕を組んで歩く女の子たち。透けそうな、けれどもそれが北京の夏らしくてかえって健康的なマキシワンピース姿の女性と彼。スーパーの帰り道の夫婦。西瓜を抱えた男性。お母さんの買物の荷物を持つ男の子。店先でテレビを見ている店主。バクチをしているのかと思ったら、井戸端会議中の日焼けしたおじさんたち。電動リヤカーの通り過ぎる音。物売りの声。お焼きを買ういまどきファッションの女性。集合住宅の一角には、駄菓子屋や理髪店。日本語学校も発見。以前は見かけなかったベビーカー、流行のようです。そして、中国で初めて見た(赤ちゃんを抱くための)抱っこ紐に、ついに出たイクダン!

表通りの木陰のベンチでは犬とくつろぐ人、スマホをいじる人、アイスをかじる初老の男性、おしゃべりに花咲かせているお年寄り。みな、思い思いに過ごしています。

中国人って、表通りも裏通りも、いい意味で私物化しているのです。とにかく、夏も冬もありんこのように人が湧き出ていて、そこはもう、誰にとっても我家(我が家)なのです。