Tag Archives: 投資・経営、経営・管理


投資経営ビザで騙された中国人留学生 ビジネス構築編 その11

なかなか来ないと思ったら

翌朝は、動車(高速鉄道)の桐郷駅へと向かうバス停でSさんと待合せしていました。ところが、約束の時間になってもSさんの姿は見えません。「なーにしてんだろうね?もしかして、バス停、間違えた?」。隣のバス停まで行ってみる私たち。「やっぱり、さっきのバス停でいいんじゃん?」と戻っていたところ、「あ~~!!」と指さし叫ぶビズパートナー。「Sさんだ!」 自転車人力車に荷物を載せて、大幅に遅刻したにも関わらず女王のように優雅に登場したSさん。 本人はか …


投資経営ビザで騙された中国人留学生 ビジネス構築編 その10

Sさんのシェアハウスのリビング@桐郷

「ニシナ先生、加藤先生、私のうちに来ますか?」 「え~、行ってもいいのぉ~!?」 「うん、行く行く~!」。なにせ中国物件探し&見学が趣味のワタクシ、ワクワク。 Sさんの後について行くと、そこは狭い階段を上がっていく小さなマンション。そして、一戸を四人でシェアしているのでした。玄関を開けるとそこは共通のリビング、その向こうにキッチンとシャワールーム、そして、個室。 で、問題はここから。 Sさん隣の部屋の住人は男性と言うではありませんか …


投資経営ビザで騙された中国人留学生 ビジネス構築編 その9

繭玉を延ばす工程@桐郷の手引き工場

工場社長から昼食の招待を受けて、私たちは呼ばれることにしました。社長のクルマはベンツ。儲かっているんだなぁ~。和やかに食事をした後、丁重にお礼を言って繊維工場社長と別れ、手配してくれた人の案内で、午後は別工場の視察へ。 工場内部を案内された私たち。先ほどの工場では、機械で繭を引き伸ばしていたのに対し、こちらの工場では、年配の婦人たちが、昔ながらの方法で繭を手で引き伸ばして真綿にしているのでした。初めて見る光景。きっと、彼女たちは少女のときか …


投資経営ビザで騙された中国人留学生 ビジネス構築編 その8

総経理の応接室で@桐郷の真綿工場

「加藤先生とニシナ先生、社長の名刺いりますか?」「うん」。なぜかSさんは困っている様子。「名刺もらったら、加藤先生たちも出しますか?」。Sさんはどうもそれが気がかりのよう。「別に出さなくてもいいですよ」と答えたのですが、ビズパートナーが私にコソっと言います。「Sさんは、きっと私たちをSさん会社の社員にしているんだよ」 Sさんがこのビジネスのために中国で作ったという名刺はピンク色で、表が中国語、裏が日本語。そして、「仕入係り S」と書かれてありま …


投資経営ビザで騙された中国人留学生 ビジネス構築編 その7

繭玉@桐郷の真綿工場

まもなく、とある真綿工場に到着しました。まずは社長室に通されます。そして、社長と迎えに来てくれた男性の案内で、一同は工場の全工程を見学。運転してくれたその男性は、Sさんの話によると、自分自身も小さな工場を経営しているとか。 これまでにも中国の工場には何度も訪れたことがありますが、このような家内工業に毛が生えたような工場で工程を視察したのは、初めてのことでした。驚いたことに、そこでは初老の男性や女性も働き手でした。むしろ、そういう年代が中心で …


投資経営ビザで騙された中国人留学生 ビジネス構築編 その6

桐郷世貿中心@嘉興

Sさんとの二日目、加藤は、ジャージという気合いっぱいのいでたちで出動~。というのは、その日は朝から工場見学が待っていたからです。 やってきたSさんは、グレーのふわふわしたかわいらしいニットコートのようなものをはおっていました。加藤の好みのツボそのもので、思わずほめると、大喜び。 「これ、サンプルよ~。だから安く買えた。加藤先生も好き?」「うん、こういうの大好き♪これなら、日本人も買うと思いますよ」「ほんとぉ?私も、なにですよ、こういうの、日本 …


投資経営ビザで騙された中国人留学生 ビジネス構築編 その5

桐郷国際蚕糸城@嘉興

ホテルにチェックインして部屋に荷物を置いたら、すでに午後3時近くでしたが、一同はバスで、Sさんがすでに下見済みの巨大な服装城(ビルまるごとが洋服の専門店街)へ。浙江省は、繊維やアパレルの産地として有名です。 「もう、あんまり時間ないね。5時には閉まります。どうしますか?」とSさん。「でも、あと1時間ありますよ。1時間あれば、ひととおりチェックできるでしょう」と、「中国では、日本にいるときの5倍働くよね」とビズパートナーから評されている加藤が、励 …


投資経営ビザで騙された中国人留学生 ビジネス構築編 その4

桐郷国際大酒店ロビー@嘉興

発車時刻の15分ぐらい前になりますと、検票(改札)のアナウンスがあり、自動改札機にチケットを通していきます。エスカレーターでホームに出てしばらくすると、動車が滑り込んできます。姿も車内も日本の新幹線とよく似ています。 時速300キロ近い動車は杭州を通り、次の桐郷に停車します。ここで下車し、その後は、Sさんの案内でミニバスで桐郷の街中へ。まずは日本組のホテルのチェックインを済ませ、身軽になってから次なる目的地へ向かうことにしました。 なにか …


投資経営ビザで騙された中国人留学生 ビジネス構築編 その3

紹興(柯橋)の軽紡城へはタクシーで

一同が向かったのは、紹興市のいちばん西側に位置する柯橋という繊維の街。紹興旧市街よりも一歩先に都市化してきた様子があります。 私たちのカンでは、そこには、Sさんの目的とする洋服や小物の卸専門ビルがあるはずでした。で、勧めてみたのですが、行ってみたら、ビルまるごとカーテン生地専門市場や、アパレルの小売が集まったビルだけで、地元民に確認してもアパレルの卸はないそうなのです。 いいかげんニホンジン二人組としても責任は感じますが、Sさんはビジネスをす …


投資経営ビザで騙された中国人留学生 ビジネス構築編 その2

紹興北駅でSさんと再会

去る11月下旬のこと。ビズパートナーと私は、浙江省は紹興市(杭州湾を挟み、上海の南西160キロ)に出張していました。日系企業との打合せや、開発区、紹興市招商局と打合せをするためでした。 紹興での仕事を終えた私たちは、朝一番でホテルをチェックアウトし、タクシーで待ち合わせ場所の紹興北駅に向かっていました。紹興北駅は、上海-杭州-紹興-寧波等を結ぶ動車(高速電車: 中国では、昔ながらの汽車と今風の地下鉄のほかは、普通電車が普及していなくて、いきなり …