投資経営ビザで騙された中国人留学生 ビジネス構築編 その6 November 27, 2016 (Sun)

Sさんとの二日目、加藤は、ジャージという気合いっぱいのいでたちで出動~。というのは、その日は朝から工場見学が待っていたからです。

やってきたSさんは、グレーのふわふわしたかわいらしいニットコートのようなものをはおっていました。加藤の好みのツボそのもので、思わずほめると、大喜び。

「これ、サンプルよ~。だから安く買えた。加藤先生も好き?」「うん、こういうの大好き♪これなら、日本人も買うと思いますよ」「ほんとぉ?私も、なにですよ、こういうの、日本人好きみたいと思います」「うん、色もいいし。私もほしいなぁ。何色があったの?黒は?」「黒もあります。あとは、赤いみたいな色」「日本人なら、グレー、黒、ベージュ、生成りかなぁ」

女同士ファッション談義で盛り上がっているところへ、横槍が。「なにしに来たの?それに、スーツケースに入る余裕ないでしょ」「でも、なにですよ、私、なにか買うかもしれないと思って、1万円おこづかい持ってきたアルね」。この意地悪男がいなければ、きっと買物に勤しんでいたでしょう。

バスを降りたら、そこには男性がひとり、自家用車で迎えに来てくれていました。人のよさそうな彼の運転で一同が向かったのは、桐郷からさらに田舎の、とある繊維工場。前日のアパレルもそうですが、Sさんが開拓&リサーチした製品が、日本人目線で見てどうか、日本人のセンスや求める品質に合うか、売れそうかどうか、価格は見合うか・・・と日本人感覚で実際にチェックし、ビジネスとして成り立つかどうか考えることが、私たちの役割のひとつでした。

が、それは本来の仕事外です。私の受託した仕事は入管申請の事業計画その他一連の書類作成であって、そもそも、現地でのビジネス構築サポートまでは含まれていません。けれども、「平成の無責任男」シリーズの主人公Bさん同様、たまたま計画していた出張が、時期も地域も本人の行動とかぶることもあって、流れ的にそうなってしまったのでした。

ビズパートナーとしては、大迷惑このうえなし。とはいえ、ぼやきながらも、Bさんに負けないほど強烈キャラのSさんとの珍道中をおもしろがってくれたのでした。

つづく