中国人留学生が投資経営ビザで騙された??? その8 November 8, 2013 (Fri)

「なるべく遅く行くほうがええかなあ? 再申請までの時間稼ぐために・・・」とEさん。

「加藤先生、同行してくれるやろ?」(※出国準備のための「特定活動」は出頭し手続した日から1ヶ月を超えない範囲)

「申し訳ないのですが、私、9日から中国出張なんです。私が同行ということであれば、その前に行っていただくしかありません」

淡々とそう伝えながらも、私は、頭の中では可能性を探っていました。起業準備のための特定活動への変更だとか(Sさんのケースではまったく該当しません)、再申請のための事業構築だとか、失ってしまった361.5万を、「ワタシ、お金ないあるよ」と言っているSさんが新たに準備できるのだろうかとか。それにしても、2週間の出張を差し引くと、タイムリミットまでの準備期間は2週間しかありません。

「加藤先生に頼んだらいくらあるね? ・・・え~、高いあるよ」。Eさんも、「先生、彼女もお金ないから安くしてやってよ」「私は5万とかの値段ではお引き受けしません。けれども、私がやれば結果は出せます、たぶん」

中国安徽省出張の3日前、「きょう、時間ある?」とEさんから連絡があり、頼みこまれて、Sさん、Eさんと待ち合わせて入管へ。けれども、不許可決定が明らかなのにも関わらず、なぜか朗らかな表情のSさん。待っている間も、楽しそうに自分のビジネスや本店事務所の話をします。不思議に感じながらも、彼女もずいぶんとさばけたものだと思ったのですが・・・

Sさんの番号が呼ばれ、私もついていったのですが、担当官(おそらく統括)が険しい顔をして言います。「申し訳ないけれど、今回は、Nさん(行政書士法人S所属の行政書士)以外の人は同席できない。この件は内容的に聞かすわけにはいかないから。本人だけ来て」

不許可理由は、本人の同行であれば、実際は、他の行政書士が請け負った案件でも同席して聞くことができる場合も多いのですが、まだ(不許可の)通知ももらっていない段階では難しかったかもしれません。それに、そこに流れるなにやら重たい空気・・・

部屋から出てきたSさん、不服そうな顔をしています。「大家さんのサインが嘘だと言われました」

???

「なにですよ、サインの字が同じだから、だめだって」

なんと、Sさんは、8月に、自分で勝手に作った(偽造)承諾書を入管に提出したというのです。

つづく