【概要】
- 40代男性、知り合いの中国人の紹介で中国人女性と現地にて結婚
- 披露宴の夜、妻が他の男性に一晩中電話していたことに不信を募らせ、日本での婚姻届は提出しなかった(ただし、婚姻成立の日から3ヶ月以内に(報告的)婚姻届を出さないことは、法令違反となる)
- 男性は、中国人妻に日本での結婚生活を営む意思のないことを伝えたところ、妻は離婚条件として多額の慰謝料を要求
- 男性は妻の要求を放置したが、数ヶ月後、中国人妻側から即刻離婚したいとの連絡があった
【経緯】
- 初期より、ホームページを見て当事務所へ連絡があった。日本で何らかの手続が必要か否か、中国で離婚の手続を行うべきかなどの相談を継続的に行う。中国人妻側からの離婚要求を受けて、中国での離婚手続を行うこととなった
【作業】
- 中国現地での(争いのない)離婚手続は以下の二通り
- 夫婦双方が中国現地の婚姻登記処に出頭して離婚手続を行う
- 夫婦のどちらかが中国の裁判所に離婚の調停を申し立てる。双方とも代理人で可能
- 男性の仕事の都合、現地の政情不安、中国人妻の親族が現地公安幹部であったことから、現地弁護士を代理人として、離婚調停を申し立てる方法が適切であると判断
- 当職が総経理を務める北京創智捷思商務諮詢有限公司スタッフを通じて、現地弁護士事務所をピックアップし、最適な事務所を選択。同時に、中国人妻にはスタッフが連絡説明、協力を依頼
- 現地弁護士と事前の打合せを行ったうえで、必要書類の確認並びに摺り合せのため、スタッフとともに現地を訪問し打合せを行う
- 現地弁護士の指示に基づき、当職が調停申立書類一式を中国語にて作成し、公証役場、外務省及び中国大使館にて公証認証のうえ、現地に送付
- 現地弁護士が離婚調停申立書を裁判所に提出し、中国人妻にも指示を行い、調停へ
【結果】
- 裁判所への申立後、1ヶ月ほどで調停書が現地より送付される(日本にて、報告的婚姻届を提出していた場合は、この調停書で日本での手続が可能)
【コメント】
- 現地弁護士は、当事者の一方が日本人である離婚案件は初めてであるとのことであったが、日中のコラボレーションが成功し、過誤なく手続が完了した
※ 2011/11 時点の関係諸法令に基づき記しています。