ミャンマーレポート 笑顔の国から Sep 2003 その7 June 21, 2015 (Sun)

18. ホテル・ライフ

ミャンマー情報は、非常に少ない。JETROやアジア経済研究所などのマニアックな機関にも、限られたものしかない。日本を発つ前に、ミャンマー駐在経験のあるJETROのI氏からアドバイスをいただいた。どのホテルも空港からは20~30分のところにあるが、セドナホテルに決めた。ここにはJETROのヤンゴン駐在所やビジネス・センターがあり、ビジネスには便利だということが決め手となった。

確かに快適なホテル・ライフだった。北京では、五つ星でもものを盗まれることがあるようだが、ここではそんなことはなかった。電気やお湯が止まることもなかった。タオル類は充実しているが、日本の旅館と違って歯ブラシはないので要注意。石鹸・シャンプー・リンスも用意されているが、自分好みのものを持参したほうがいいかもしれない。電圧変換プラグはあらゆるものを用意していったが、バスルームはたしかC、部屋はBFだった。

ただ、立派な建物のわりに壁が薄く、隣の部屋のTVの音、上の部屋のシャワーの音が聞こえた。TVはNHKが入る。窓は開かないので、蚊が侵入してくることもない。お湯は備え付けのポットで作ることができる。暑いかと思って、部屋着兼パジャマを完全な夏バージョンにしたのは失敗だった。クーラーを消しても肌寒いこともあり、長袖のTシャツが要るなと思った。また、洗濯をしても、乾燥していないので乾きが悪い。夏物ですむので、服は、部屋着を含め、日数分用意したほうがいいかもしれない。

19. 弁護士宅にて

私が日本の一法律家だと知ると、彼は、両手を大きく広げ、上座へ座るように言ってくれた。私たちは兄弟じゃないか、と歓迎してくれた。素足に、すべすべの木の床が気持ちいい。天井には、大きな扇風機がゆっくりと回っている。そして、つたない英語ではあったが、仕事の話を通し、目的を果たすことができて、私の気持ちは晴れ晴れとしていた。彼の娘さんがコーヒーを持ってきてくれた。甘いコーヒーだった。家を出てから、彼に聞いた。「あの、写真撮らせていただいてもいいですか?」「いいとも、いいとも。なぜ、だめなんだい?さあ、中へお入りなさい。」

20. 言葉

恥ずかしながら、ミャンマー語はひとこともわからない。今度は、あいさつぐらい覚えよう。ミャンマー語の響きは、タイ語と似ている気がする。やさしい感じ。まあるい感じ。ミャンマーでは、多くの場所で英語が通じる。カタコトの英語ができれば、旅も心強い。ただ、ビジネス・シーンでは、もう一歩つっこんだ能力が必要だ。よく使われる言い回し、中学文法と単語に加えて、自分の話したい分野の語彙力がものをいう。専門分野の語彙はカバーすべきだというのが、今回の私の反省と実感。そして、同様に大切なのが、専門分野の知識と母国語の表現力というバックグラウンド。これによって、私も乏しい語彙力をなんとかカバーできた。

あとは、なんといっても慣れだと思う。うまく言えなくても、誰も馬鹿にしない。どんどん話しかけてみよう。実際、アジアの人の英語は、非常に聞き取りにくい。だから、いいのだ。こっちもたどだとしくても。気にしない、気にしない。ノー・プロブレム、没問題(メイ・ウェンティ)。大切なのは、話したい、通じ合いたい、コミュニケーションしたい、というお互いの気持ち。通じた、おもしろい、だからまた話す。その繰り返しの中で、少しずつ慣れていく。ビジネスでも、自分の言葉で伝え、自分の経験と感性で相手の言葉を受け取る。そのやりとりそのものを、生きた訓練として楽しむ。英語圏に留学できれば理想だが、それが無理でも、ビジネスで海外に出て、実践で鍛えあげるチャンスを自分に与えたいな、というのが私の願い。

21. 現地で人脈をつくる?

今回の旅で、いろいろな人とつながりができた。タクシー運転手さん数人、通訳、弁護士さんなど。次回は、予め運転手さんに連絡しておこう。ヤンゴン到着と同時に、知っている顔に会ったら楽しいだろう。彼らはみな、英語ができる。みな明るく、話がおもしろい。頼めば、買い物などにもつきあってくれると思う。それから、私は一日だけ通訳N氏を雇った。彼は中国系。日本に留学経験がある。知識と教養のある彼には、通訳という以上に、現地の事情や考え方を理解するという意味でいろいろと助けてもらった。観光ガイド料は一日40ドル。車の手配や飛行機の手配もしてくれるそうだ。ミャンマーが初めての人や年配の旅行者なら、ガイドさんを上手に使うのもお勧め。そういえば、ミャンマーで私が見かけた携帯は、このN氏とドライバーのS氏(昼間は地質学の調査をしている変り種?)の二人だけだった。ミャンマーでは、まだまだ携帯は普及していない。

また、日本人なら、ビジネスでなくとも、現地大使館、JETRO、JICA、その他企業などを訪問してみるのもよいと思う。最新の情報が手に入るし、日本人の少ないミャンマーで、現地日本人の存在はやはりなにかと心強い。いきなり訪問しても、いやな顔をされることはない。むしろ、歓迎してくれる。大使館でも北京の領事部のような険しさはなく、どこを訪問してもみな、ノーネクタイ、フレンドリー、ウエルカム、といった感じだ。そこには南国特有のゆったりとした、日本人の忘れかけていた時間と空気が流れている。

つづく