ミャンマーレポート 笑顔の国から Sep 2003 その6 June 21, 2015 (Sun)

14. ミャンマー・スタイル

ミャンマーへ出かけるときは、ビジネスでも堅苦しい服装をする必要はない。ネクタイをしている人など皆無だ。男性なら、YシャツもしくはB.D.シャツに、スラックスでOK。女性は、トップスはシャツ、ブラウス、Tシャツのパンツルックが無難だろう。仏教の国ミャンマーでは、女性が肌を露出することは厳禁。ノースリーブやキャミソール、また脚を出すことはご法度(ホテルのレストランなどでは、通常のスカート・スタイルもOKかもしれない)。男性も、ランニングのような人は見かけなかった。

彼らの日常着は、ロンジー。男性用をバソウ、女性用をタメインと分けて呼ぶこともあるが、一般的にはロンジーと称しているようだ。男性は、上はTシャツよりはシャツで、普段はチェック柄など。白だとビジネスの感じ。パリッとアイロンのあたった白のスタンドカラーが、正式だということだ。これにノーカラーの上着を重ねることもある。女性は、Tシャツ、ブラウス、またはロンジーとおそろいのブラウスなど。そして、足もとはゴム草履やサンダル(ミュール)がお決まり。女性は、ぺたんこの草履の人もいれば、ヒールのミュールの人もいる。バッグは民族調のものだったり、プラスチックのカゴだったり、普通のカバンやバッグだったり、それぞれ。

ロンジーは男女ともに、ふだんはコットン製を着用。男性はほぼ100%チェック柄、女性は地味めの無地か、花模様などのプリントものが多い。結婚式などには、男女ともシルクのものをまとう。みな、思い思いに着こなしている。それが、なんとも粋なんだなぁ。

15. ミャンマーの人々

ミャンマー人には、いくつか民族があり、大部分がビルマ族。そしてインド系、中国系など。女性は全体的に小柄。156センチの私でも、ひけめを感じない。そして、スマート。でっぷりした人は少なく、キューティーハニーのような小尻揃い。男性は、より細い。子どもがそのまま大人になったような細さの人がたくさん。民族的にそうなのか、あるいは食生活の違いか、豊かさの違いか、それはわからない。ミャンマーの人々は、笑顔があたたかい。特に男性は、営業用ではなく、心からの笑顔で人を歓待する。はにかんだ笑顔が、キュートで心地いい。そして、女性も男性も、ロンジー姿がなんともセクシー。たまに、スカートやズボンの人も見かけるけど、ロンジーにはかなわない。これが私の、ミャンマーの人に対する印象。

16. ロンジーを巻く

ロンジーは、男女で巻き方が違う。双方とも布を筒状にしたものなのだが、男性は中心で、女性は左前で巻く(ごく稀に右前で巻いている人もあり)。男性の巻き方にはいく通りもあり、ひとりひとりこだわりがあるようだ。そして、背中のところにサイフをはさんだり、あるいはお寺に入るときはそこにゴム草履をはさむのが、通。女性は左右両端をねじりながら折り込んでいく。ところが、これが難しい。ずれないように上手に巻くのは至難の業。現地の人でもちょこちょこ巻き直している。男性は歩きながら、両手を広げ、誇らしそうにダイナミックに。所要時間5秒足らずか。女性はもう少しさりげない。慣れない私たちは、歩いているときはもちろんのこと、椅子から立ち上がった瞬間などは要注意。巻き方が甘いと、悲惨なことになる。なぜ現地の人たちのようにいかないのか?でも、彼らがカッコよく、美しく着こなせるのは当たり前。少年少女の頃からのバリバリのキャリアの持ち主たちなのだ。よーし、こりゃロンジーにこなれるまでミャンマーに通い続けるしかないねっ、と堅く決心した私だった。

17. まずは形から?

その国にいるときは極力現地化することがモットーの私は、行く前からロンジー(タメイン)を買うべく意気込んでいた。なにごとも、まず、形からだよネ、と。だから、気に入ったものがゲットできて大満足。ロンジー以外のものは手持ちのものでOK、というのも入りやすい。私は、日本から持参した母手作りのビーズの指輪を毎日とっかえひっかえ。いま流行のビーズのアクセサリーは、南国のロンジーにもよく似合う。現地人に見える必要はない。でも、彼らのまねをすることが、単純に楽しい。気持ちも近づける気がする。訪問したJICAの駐在員S氏は、どこに日本人がいるのかと思えるほど同化していた。す、素晴らしい!現地役所に対するウケもすこぶるよいそうだ。自分を主張しながら、かつ同調、同化できる。海外では、格好も行動も、そういう人のほうがトクだと思う。2倍、その国を楽しめると思う。

つづく