昨晩、今晩と二夜連続で、夕食は、魯迅ゆかりの居酒屋「咸亨酒店(シエンハンチウティェン: xian2heng1jiu3dian4)」へ行きました。
魯迅の作品「孔乙己(コンイーチー: kong3yi3ji3)」にも登場する「咸亨」は、魯迅のおじさんが1894年に始めた実在の酒場で、もともと紹興酒の酒造元です。「咸亨」は、魯迅生誕100年を記念して、1981年に現在の形の居酒屋が新開店し、同じ名のホテルも隣接していて、私はいまそこに宿泊しています。
居酒屋の前には「孔乙己」の像があり、中国人観光客もよくそこで記念写真を撮っています。咸亨、魯迅の生家(魯迅故里)の並ぶこの通りを「魯迅中路」といい、魯迅記念館やレリーフやお土産屋さんもあり、紹興の観光名所のひとつとなっています。
私たちが、今朝、このレリーフ前で撮影していましたら、「は~い、こっち向いてくださぁいあるよ~。は~い、笑って。はいっ、撮るあるよ~」というガイドさんの声。日本語。見ると、日本人団体客30人ぐらいがこちらに向かってにっこりポーズ。年配者もいます。東京と同じぐらいの気候なので、年齢のいった人でも冬旅を楽しめるのが紹興のいいところです。
さて、1月に来たときには、咸亨は入り口が開けっぴろげのオープンテラス?式居酒屋かと思っていたのですが(屋根だけのそこにも席があります)、きのう初めて入ったら、実は奥にもうひとつ扉があり、扉の向こうには広々とした居酒屋スペースが広がっていたのでした。
以下、魯迅居酒屋の楽しみ方です↓
入って左奥のレジで、100元とか200元とかのプリペイドカードを先に買い、カウンターで注文して、自分で席に運ぶというセルフサービスとなっています。メニューは中国語と英語ですが、ショーケースには日本の定食屋さんのように現物もけっこう並んでいるので、指差せばオーダー可能です。紹興名物鴨肉(まるごと)が60元ぐらい、あとは、20元とか30元ぐらいのものが多いようです。
そして、注文した分がカードから引かれ、残りはまたレジで払い戻してもくれますし、残高を次までとっておくことも可能です(が、有効期間はわかりません。聞き忘れました、すみません)。
主役の紹興酒ですが、1碗10元か20元(すみません、買ってきた人=ビズパートナーが酔っ払っていて不明です)、オープンテラスのほうのカウンターで注文します。カフェオレカップもしくはお茶碗のような小どんぶりになみなみと注がれ、たぶん、1合半ぐらい。ぬる燗で出てきます。
メニューは基本的に酒肴。全体に薄味の紹興ですが、鴨の燻製、魚の燻製、豆腐のチーズは、「酒呑み」に合わせて塩辛かったそうです。下戸&お肉食べられない加藤の口に合うものもけっこうあります。ズッキーニのようなものの炒め煮、茄子の味噌炒め煮、お豆腐とトマトのスープなどなど。
何度か通って注文してみないと、どれが当たりかはわかりませんが、お酒呑みの口には合うようです。
「セルフサービスの居酒屋とは、なかなか経営がうまいよ」(酔っ払い談)。
下戸であっても、魯迅ゆかりの居酒屋でひとときを過ごすということそのものが、とても味わい深く、楽しい気分にさせてくれます。お酒呑みならなおさらでしょう。
あ、肝心の紹興酒の味ですけど、酔っ払い曰く、「するり」と入る味だそうです。「これがビールだったら、日本に帰らないかも」??ですって。