昨日宿泊した老舗の紹興飯店のレターセットに書かれていた「小橋・流水・人家」・・・小さな橋、流れる水、人々の家。
ひとことで言えば、これが紹興だと思います。
紹興の旧市街は、日本人ならば誰もがノスタルジーを感じる昔の街並みがそのまま残っています。市もそれを保護し、勝手にその景観を変えてはいけない決まりがあるようです。古いものがちゃんと残っているだけでなく、また、単なる観光地なのでもなく、それが実際に機能し、いまも暮らしに息づいています。
胡同(フートン)も同じく懐かしさを感じさせる長屋ですが、開発のためにどんどん壊され、また、ときとして住民自身が「雑居」と恥じていたりする北京とは様子が異なります。
漆喰のはがれた白い壁、黒くて薄い瓦を重ねた屋根の家々が川沿いに連なる通りを歩いていて目につくのは、「魚と鴨肉とパンツ」?が並べて干してある風景。
紹興では、水は生きているととらえられ、川は常に循環しています。そして、街は冬でも潤っています。
小さな川も橋も人々の生活に密着していて、この時代に、女性たちが川岸で洗濯をしている光景に出会うことができます。川辺では、トランプに興じたり、編み物をしたり、孫の相手をしたり、日向ぼっこをしている老人たち。
豊かな水を湛えた川と小さな橋と人々の暮らす家々。ゆったりと川が流れるように、人々の日常も静かに静かに流れていきます。
時が止まったかのような風景。それが紹興です。