5月・初夏の北京 その3 B級グルメに邁進 May 22, 2013 (Wed)

加藤は、日本でもそうですが、北京でもB級グルメ専門です。

イタリアンや、欧米人にも人気のこぎれいな中華レストランなどは、滞在中に数回行けばいいほうで、ひとりであればまったく行かないことも多く、たいていは、中国人しかいないような地元の家常菜(家庭料理)の食堂や街角のお焼き、セブンイレブン、デリバリーの中国式お弁当、中国人住宅街の市場で仕入れた食材で自炊して済ませています。あとは、気が向けば、出入り自由の「北京の家族」の家でごちそうになることも。

いったん中国に入れば、金銭感覚が中国になる(1回の食事に20元は高いっ!→「現地でファッションアイテムはしこたま仕入れるのに、食費はやたらと節約する」らしい私)ということや、ゆっくり食事している時間がないというのもありますが、せっかくこの国に来ているわけですから、この国の人たちと同じものを食べてみたいという好奇心もありますし、そのほうがここでの生活に馴染むし落ち着くからです。それに、こういったB級(ときにはC級?)グルメや家庭料理は、日本では、いくらお金を出しても決して出会えない味なのです。

中国ではなんでも大盛りですから、たとえば炒飯などもひとりでは食べきれません。で、残りは包んでもらってダーパオ(打包: お持ち帰り)します。中には「ここ、大丈夫かなぁ?」というような怪しいお店もありますが、あんまり清潔では(中国らしい)雰囲気が出ませんし、火が通ってさえいれば大丈夫でしょー、ということで注文してみるわけですが、はっきり言って「まずい」ことも多く、まぁ、当たり外れはありますが、それでも、おっかなびっくり、いろいろ試してみるのはおもしろいことです。

初めて北京を訪れてから17年になりますが、まだ一度も、そういった場末の(?)食堂で日本人を見かけたことはありません。もったいなぁ、こういうところに本当の北京の味があるのになぁ・・・と長い間不思議に思ってきましたが、こうしたお店では、ときに物好きガイコクジンということで好奇の目にさらされるぐらいですから(それにめげていてはB級やC級にはありつけません)、やはり私のほうが変り種なのでしょう。考えてみれば、初めての北京滞在では、いつも中国人と一緒にそういった食堂に出入りしていたのですが、それがおいしく楽しかったという印象が、私にとって北京の食の原点となっているのかもしれません。

駐在する日本人にも利用者の多い外国人向けスーパー「Jenny Lou’s」で買ってきたツナサンド、二つ入って12元。期待していたのですが、思いのほか新鮮でもなく、味もいまひとつでがっかり。これならセブンイレブンのサンドイッチのほうがおいしいし、一つ1元のニラ饅頭のほうがずっとおいしい・・・とうわけで、C級グルメに舞い戻る加藤なのでした。

つづく