翌朝は、動車(高速鉄道)の桐郷駅へと向かうバス停でSさんと待合せしていました。ところが、約束の時間になってもSさんの姿は見えません。「なーにしてんだろうね?もしかして、バス停、間違えた?」。隣のバス停まで行ってみる私たち。「やっぱり、さっきのバス停でいいんじゃん?」と戻っていたところ、「あ~~!!」と指さし叫ぶビズパートナー。「Sさんだ!」
自転車人力車に荷物を載せて、大幅に遅刻したにも関わらず女王のように優雅に登場したSさん。 本人はかぼちゃの馬車に乗ったシンデレラのつもりでしょうが(そう顔に描いてありました)、日本組から言わせればチンドン屋です。
「だって、行こうとしたら、このスーツケースが重くて重くて歩けなくて、人力車頼んだよ」。まーったく、なにやってるんだか。お騒がせなSさんです。
上海虹橋駅で、Sさんが連絡を取っていた貿易会社女性、運送会社女性と落ち合い、ファストフード中華の永和大王で昼食を採りながら、製品の日本への輸送について打合せます。
こうして、無事すべての日程をこなし、強烈キャラのSさんとのまったりと濃密な三日間が終了しました。
Sさんは、地下鉄改札口へと向かう日本人二人組に心細そうな目を向けていましたが、Sさん現地取材はここまでです。素知らぬ顔して振り切り、私たちは地下鉄で上海カメラ市場へ。三日間の疲れを取るべくちょっとリフレッシュしなくては。
それに、帰国後は、今回の密着取材をもとに事業を構築しなければなりません。Sさんの「投資経営(経営管理)ビザ」を通すために、ついでとはいえ、はるばる浙江省の田舎町まで行ってタダで現地取材したのです。その成果を書面に表さなければ。
苦し紛れに偽造書類を出して不許可になった絶体絶命のSさん。それを許可にもっていくのはタイヘンなのよ~。
おしまい