投資経営ビザで騙された中国人留学生 ビジネス構築編 その3 March 15, 2014 (Sat)

一同が向かったのは、紹興市のいちばん西側に位置する柯橋という繊維の街。紹興旧市街よりも一歩先に都市化してきた様子があります。

私たちのカンでは、そこには、Sさんの目的とする洋服や小物の卸専門ビルがあるはずでした。で、勧めてみたのですが、行ってみたら、ビルまるごとカーテン生地専門市場や、アパレルの小売が集まったビルだけで、地元民に確認してもアパレルの卸はないそうなのです。

いいかげんニホンジン二人組としても責任は感じますが、Sさんはビジネスをする本人かつ中国人。日本人情報などに安易に乗らず、調べてみるのが当然です。そのうえで、効率的なスケジュール考えておいてくださいねって言ってあったのに。と責任転嫁。ここは中国だから、自分の非は認めちゃいけません(笑)

「なにですよ、次、どうしますか?」。自分のことなのに、なんだか頼りないSさん。柯橋視察にほぼ一日費やすだろうと予測していたのですが、「用がないとわかったいま、さっさと移動するに限るでしょう」と日本組。

次なる目的地は、Sさんが住んでいる嘉興(浙江省嘉興市: 上海のすぐ南西)でした。ちょうどやってきたバスに飛び乗り紹興北駅に引き返し、できたばかりのターミナルの窓口で動車のチケットを購入。

チケットを買ってから、(Sさんと私たち二人は支払いが別であったため)自分と日本組では、乗り込む号車が離れていると気づいたSさん。心配になって、三人分のチケットを手にし、「チケット取り替えてもらう」と窓口へ。けれども、なにせ名前まで入力されたチケットですから、「個人交渉で取替えて」と言われたそうで、あえなく撃沈。

「私たちなら大丈夫ですけど。ちゃんと降りられますから」。Sさんの顔つきを見ていると、どうも、私たちのことが心配なのではなくて、私たちと離れてしまう自分が不安なようでした。

長距離バス旅はだいぶこなれてきたものの、実は、いわゆる鉄道は初めての私たち。「Sさんのおかげで乗れることになったヨ」と加藤はワクワク。時刻表を見ると、行き先は、福建省(浙江省の南)のアモイや南京だけでなく、なんと、「北京」の文字も。「あたし、今度は、北京は上海から動車で行くし!」。ひとり息巻く加藤。

発車時刻までだいぶあります。トイレに行ったり、中華ちまきで待合ベンチに座ってお昼したり。真新しいターミナルの構内は、日本の新幹線の駅のようにきれいです。ただ、やたらと広い・・・

つづく